【妊娠継続不可】妊娠初期の出血は危険?妊娠継続できない異常妊娠について知っておこう

受精卵が無事着床しても、それが正常妊娠でない場合が稀にあります。妊娠の兆候に気がついたら妊娠検査薬の陽性反応だけで安心せずに、早めに産院を受診しましょう。

稀なケースではありますが、胞状奇胎(ほうじょうきたい)や異所性妊娠(いしょせいにんしん)などの異常妊娠可能性があります。このようなトラブルが起きていた場合、医療的な措置を施さないとママの身体は深刻なダメージを受けてしまいます。

今回はこの胞状奇胎(ほうじょうきたい)と異所性妊娠(いしょせいにんしん)がどんなもので、どのような措置が必要となるかまとめました。

妊娠が継続できない「異常妊娠」

胞状奇胎(ほうじょうきたい)について

胞状奇胎(ほうじょうきたい)とは?

胞状奇胎(ほうじょうきたい)とは胎盤になる絨毛(じゅうもう)が病的に増殖する病気のことを言います。

胎盤を形成するはずの絨毛が病的に増殖し、ぶどうのような水泡状の粒で子宮内を満たしてしまいます。これは受精卵の染色体異常が原因と言われていて、500人に1人ぐらいの割合で発症します。

胞状奇胎と診断されたら、残念ながら妊娠を継続することはできません。絨毛がんに移行する恐れがあるので胞状奇胎を完全に除去する必要があります。

胞状奇胎(ほうじょうきたい)の症状と治療

つわりの症状が重いのが特徴で、茶色のおりものや少量の出血が続くことも。自覚症状の前に超音波検査で見つかることもあります。

胞状奇胎と診断されたらなるべく早く子宮内容物を取り除く搔爬(そうは)手術を1,2回行います。その後は1年間ほど通院して経過観察をします。

次の妊娠で繰り返すことはほとんどありません。

異所性妊娠(子宮外妊娠)について

異所性妊娠(子宮外妊娠)とは?

異所性妊娠(子宮外妊娠)とは、子宮内膜以外の場所に受精卵が着床してしまう妊娠です。

異所性妊娠(子宮外妊娠)の発生は全妊娠の1~2%で、その95%以上が卵管での着床です。細くて狭い卵管内で着床した場合、妊娠7~8週以降に卵管破裂や大量出血が起こる可能性が高まります。そのため早急な措置が必要になります。

異所性妊娠(子宮外妊娠)の原因

通常、卵巣から排卵された卵子は、卵巣と子宮をつなぐ卵管にある卵管膨大部にて精子と出会うようになっています。受精が成立すると受精卵になり、約1週間かけて子宮に向かって卵管を移動しながら細胞分裂を繰り返し、子宮内膜に着床します。

しかし、卵管の癒着や狭窄など、卵管付近に何らかの炎症が起こっている場合、卵管の通りが悪くなることがあり、その結果、正常に受精卵が子宮に運ばれることなく、卵管などに着床して子宮外妊娠が発症してしまいます。

この卵管の癒着や狭窄などの原因は性感染症であるクラミジアや一般細菌などへの感染が卵管付近の炎症を引き起こしたり、卵管の癒着につながったりするとされています。

また、過去に受けた子宮内膜症や卵巣、卵管の手術などの開腹手術が卵管の炎症を起こす可能性も。そのほかは、不妊治療で体外受精を行った際の胚移植なども原因とされているが、原因が不明なケースもあります。

異所性妊娠(子宮外妊娠)の症状と治療

卵管妊娠の場合、卵管から出血した血液がお腹に溜まり、下腹部痛と少量の出血がみられることがあります。

異所性妊娠(子宮外妊娠)と診断されたら妊娠を継続することはできません。通常は出来るだけ早く、腹腔鏡手術もしくは開腹手術で着床部分を除去します。もし卵管を除去しても、もう一方の卵管に異常がなければ次の自然妊娠も可能です。

まとめ

このように妊娠検査薬で妊娠が分かったあとでも、もしかしたらその妊娠が異常妊娠の場合もあります。放っておくとママの身体にとって深刻なダメージをもたらす可能性があります。

それを避けるためにも、妊娠が分かった段階で早めに産院を受診することが重要です。

引用元: 最新!初めての妊娠・出産新百科(ベネッセコーポレーション)

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