妊娠してから、なんだか今までと体の調子が違うな、と感じることは多いのではないでしょうか?これは子宮が大きくなって体のバランスが変わることや、ホルモンの影響で変化していることも。
眠くなったり、腰が痛くなったりなど一般的にイメージしやすいものから、「何だか脚がかゆい」「耳鳴りが頻繁に起こる」など、そんなことまで?と驚く、11個の妊娠が及ぼす身体への影響についてまとめました。
妊娠中に現れる体の症状
妊娠による様々な不快症状11例
むくみ
原因
妊娠中は以内を循環する血液量が増加しています。ホルモンの影響で血液中の水分が血管外に流れる傾向があるので、全身がむくみやすくなります。特に、妊娠週数進むと大きくなった子宮に静脈が圧迫され下半身がむくみやすくなります。
対策
塩分のとりすぎはむくみに大きく影響します。調味料などにも注意した食事管理と適度な運動を取り入れるように心がけましょう。
ウォーキングなどふくらはぎの筋肉を動かすと、血液が心臓に戻る役割を果たし、全身の血行がよくなります。寝る時はクッションなどを使って、足を少し高くして寝ると良いです。
眠れない
原因
おなかが大きくなる妊娠中期〜後期に悩む妊婦さんが多くなります。
おなかが大きくなると、仰向けで寝ることが難しくなります。これは大きくなった子宮が下半身から心臓へと戻る大動脈を圧迫するためです。
また、ストレスなどによる自律神経の乱れから、なかなか寝付けないこともあります。
対策
おなかの圧迫感で寝苦しい場合は、抱き枕などを使ったりしながら楽な姿勢を探してみましょう。
また、副交感神経が優位に働くと入眠しやすくなります。就寝前はスマホなどの目の刺激を避け、軽いストレッチやマッサージなどでリラックスできるようにしましょう。
だるい・眠い

原因
妊娠中に増える黄体ホルモンには睡眠を促す作用があります。特に妊娠初期は多量に分泌されるため、強い眠気やだるさを感じる人が多いでしょう。
また、妊娠中期以降は子宮が大きくなるにつれて、体の負担がかかるので、だるさを感じることが増えてきます。
対策
どうしても眠たい時は、身体が休んでと言っているサインだと受け止め、無理をせず休むことが大事です。
仕事をしている妊婦さんでも、この時期は出来るだけこまめに休憩をとるなど、身体の変化を受け入れて意識を見直しましょう。妊娠初期で報告を躊躇っている場合も、上司だけにでも妊娠して身体に影響がある旨を伝えておくと、仕事を配慮してくれるかもしれません。
脚がつる・こむら返り
原因
大きくなった子宮を支えるために、脚の筋肉が疲弊してつることがあります。
また下半身の血行不良、冷え、むくみ、筋肉を動かすのに役立つカルシウム不足なども影響している可能性があります。特に妊娠中期〜後期が就寝中に突然脚をつることが多くなります。
対策
普段から入浴で血行をよくしたり、厚手の靴下を履くなど下半身の冷え予防をしましょう。
就寝前はストレッチやマッサージを行い、ふくらはぎの筋肉を伸ばすことも効果的です。
またカルシウムが不足している妊婦さんは乳製品や小魚など、毎日の食事でカルシウムを補うようにしましょう。
脚の付け根の痛み
原因
妊娠が進むと、子宮の収縮が起こり脚の付け根に繋がる靭帯(じんたい)が引っ張られたり、恥骨や股関節が圧迫されたりするため、痛みが起こりやすくなります。歩くたびに脚の付け根が痛むようであれば靭帯が緩んで骨盤が不安定になてる可能性もあります。
対策
痛みが強い時は、楽な姿勢で休むようにしましょう。
長時間同じ姿勢でいることや、急に姿勢を変えると痛みが増すこともあるので注意しましょう。骨盤を整えるマッサージをしたり、骨盤ベルトを装着すると症状が緩和することがあります。
脚がムズムズする
原因
これは「むずむず脚症候群」と呼ばれる妊娠中に多くの妊婦さんに起こる症状です。
原因はよく分かっていませんが、神経伝達物質であるドーパミンの機能障害や鉄代謝異常が関係している可能性があり、妊娠中は鉄欠乏性貧血が原因としても考えられます。
対策
鉄分を補給して貧血を改善しましょう。
また、就寝前に軽く歩いたり、脚の屈伸運動やマッサージで症状が和らぐこともあります。
それでも改善しない場合は、薬で治療することもできるので、主治医に相談してみましょう。
耳鳴り・音がこもる
原因
疲労やストレスで自律神経のバランスが崩れ、聴覚に異常が起こることがあります。
耳が詰まった感じがする「キーン」「ブーン」という音が聞こえる、音がこもるように聞こえる、などの症状は、自立神経の乱れが原因かもしれません。
対策
疲労やストレスをを軽減し、自律神経のバランスを整えましょう。そのためには規則正しい生活、十分な睡眠、軽い運動や入浴で血流を良くする、といったことが大切です。
恥骨が痛い

原因
お産が近づいてくると、赤ちゃんは徐々に骨盤の中に下がってきます。この時骨盤を左右に押し広げられるよな痛みを感じることがあります。ホルモンの働きで関節が緩んでくるのも原因の一つです。
対策
下半身を冷やさないように気をつけ、軽いストレッチで股関節周りの筋肉をほぐすのも効果的です。
ただし、ストレッチ中に痛みが増す場合はすぐにストップしましょう。腹帯やマタニティーガードルで骨盤を支えると痛みが緩和することもあります。
動悸どうき・息切れ
原因
妊娠中は循環する血液量が増え、心臓に負担がかかる上、大きくなった子宮に横隔膜が押し上げられるため、動悸や息切れが多くなります。
対策
何をするにもゆっくりと時間に余裕を持って行動するようにしましょう。
立ちっぱなしや動きっぱなしは動悸が起こりやすくなるのでこまめに休憩をとってむりをしないようにしましょう。あまりに症状がひどい場合は受診するようにしましょう。
のぼせる
原因
妊娠初期はホルモンの影響で、のぼせやすく火照りやすくなります。
ホルモンバランスの変化やストレスで自律神経が乱れると、体温調節がうまくできず、のぼせることがあります。また、妊娠後期は脂肪の増加で暑さを感じやすくなります。
対策
顔や頭が熱いからと、首を冷やしすぎたり、冷たいものを飲むのは逆効果です。
血流が悪くなり、自律神経の乱れを助長することになります。下半身や首の後ろを温めて血流を良くするようにしましょう。副交感神経が優位に切り替わり、自律神経がバランスを整えていきます。
手の痺しびれ
原因
身体がむくむと神経が圧迫され、痺れや痛みが出ることがあります。
手首を使用する作業で神経が圧迫され、手の痺れや痛み、手の強張りが起こる症状を「手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)」と呼びます。
原因はよく分かっていないこと多く、妊娠中に多いのが特徴です。
対策
指先の血流を良くすると症状が緩和します。手のひらをぎゅっと握ったり大きく開いたりを繰り返してみましょう。入浴中に手首をマッサージするのも良いです。
また、食生活では塩分の取りすぎに気をつけましょう。ほとんどの場合は産後に症状が完治します。
まとめ
いかがでしたでしょうか?妊娠中におこりやすい身体の症状を紹介しました。
どの症状も妊娠期特有の場合が多く、産後には症状が落ち着いていくことがほとんどなので、あまり気にしすぎてストレスにならないように過ごせるといいですね。
ただし日常生活に支障をきたすような場合は迷わず医師に相談してみましょう。
引用元: 最新!初めての妊娠・出産新百科(ベネッセコーポレーション)